ビタミンとは、水に溶けやすいものと、油に溶けやすいもので大きく分けられています。脂溶性と言われる、油に溶けやすいビタミンは、ビタミンA、D、E、Kです。
水溶性と呼ばれる水に溶けやすいビタミンは、有名なものでビタミンCや葉酸などがあり、この水溶性にビタミンB1は含まれています。ビタミンB1は、糖質からエネルギーを生み出し、皮膚や粘膜などの健康を保とうとする働きをしています。
また、脳神経系の正常な働きとも密接な関係があります。糖質代謝に欠かせないビタミンB1は、不足しがちな栄養素とも言われています。
なぜなら、日本人は米が主食で米は糖質なので、その糖質をエネルギーに変えるため必然的にビタミンB1の消費量が多くなるからです。では一体、不足するとどんな症状が現れるのでしょうか。
ビタミンB1が不足すると起こる症状
ビタミンB1が不足すると様々な症状が出てきます。疲労、倦怠感、集中力の低下、食欲不振、手足の震えやしびれ、足のつりやこむらがえりなどが挙げられます。
糖質をエネルギーに変えることができず、食欲不振を引き起こしたり、先ほど説明した通り脳神経系とも関係があるため、不足すると頭がうまく働かず集中力の低下を引き起こし、結果イライラしたり、疲労感や倦怠感も引き起こすと言われています。
では、こむらがえりはどうでしょうか。一見関係がないように思える足のつりやこむらがえりとビタミンB1は、関係があるのでしょうか。
こむらがえりとビタミンB1の関係性
ビタミンB1は、神経系のシステムと深い繋がりを持っており、不足するとかっけや神経炎を引き起こすと言われています。
かっけとは、江戸時代から昭和の初期に多く見られた病気で、全身の倦怠感や食欲不振、体のむくみやしびれなどといった、まさにビタミンB1が不足した際と同じ症状で、その時代には多くの死者を出した病気です。
研究が進んだ結果、ビタミンという栄養素の存在が明らかになりかっけにかかる人はほとんどいなくなったそうです。
神経炎とは、手足から始まり全身がまひして、筋肉が萎縮しやせ細っていく病気です。
ビタミン不足が大きく関わっており、治療ではビタミン投与も行います。この神経炎の病気の症状の一つとして、こむらがえりが挙げられています。
つまりビタミンB1が不足することにより、神経系のシステムが何らかの異常を起こし、こむらがえりや足のつりを引き起こしていると言えるでしょう。こむらがえりは、重大な病気の前触れかもしれないということです。
とはいえ、あまり神経質になりすぎず頻繁に起こるようになったり、疲労感や倦怠感が拭えないなどという症状が現れ出したら、専門医に相談してみる事をお勧めします。
食べ物からビタミンB1を摂取しよう
ビタミンB1を摂取できる食品で、代表的なのが豚肉です。豚肉に比べて牛肉は、それほどビタミンB1が多く含まれていません。豚肉は様々な料理に使用することができますし、安価で手に入り、摂取しやすい食品と言えるでしょう。
しかし、加工食品なども多く加工食品は塩分も多く含まれていることが多いので、注意が必要です。塩分を摂る際には、カリウムが豊富な食材、例えばほうれん草やひじきなどと一緒に摂取すると良いでしょう。
カリウムは、塩分を尿として排出する事を促してくれる働きがありますので、塩分を抑えつつ、ビタミンB1とカリウムを同時摂取できます。
また、魚介類や穀類からも摂取することができます。特にお勧めなのが、玄米です。日本人であれば、ほぼ毎日のように食べているのが米です。これを白米ではなく玄米にするだけで、約7倍の量のビタミンB1を摂取することができます。
そして最初ご紹介した通り、ビタミンB1は水に溶けやすいため、ためておくことができない栄養素です。エネルギー変換や、大切な役割のあるビタミンB1は、不足しないように毎日補給してあげることが大切なのです。
しかし、毎日ビタミンB1のことを考えた料理を作るのは大変ですし、忙しくて時間がなかったりする方もいるのではないでしょうか。そんな時はどのように摂取したら良いのでしょう?
ビタミンB1を摂取するには、サプリメントも
ここまで、ビタミンB1が不足すると、健康面で起こる症状を取り上げてきましたが、ビタミンB群の不足は、美容面にも大きく関わってきます。肌荒れを頻繁に起こすようになったり、むくみがひどくなったり、口内炎の原因にもなります。
そんな時は、ビタミンB群のサプリメントを使用してみるのもいいかもしれません。サプリメントの良いところは、手軽さです。食事で豚肉を摂ろうとすると、調理をしたりと手間が必ずついてきますね。
忙しかったり、料理する時間があれば寝たいという方もサプリメントなら簡単に栄養補給ができるのです。そんなサプリメントを選ぶ際には、「ビタミンB群」のサプリもしくは、「マルチビタミン」のサプリを選ぶことで、単体で摂取する場合よりも効果を発揮しやすいとされています。
まとめ
ビタミンB1は、足のつりやこむらがえりとも密接な関係があっただけでなく、健康面または、美容面にも深い関わりがありました。過去にはビタミン不足による死亡例もあるほど、不足すると危険だということもお分かりいただけたのではないでしょうか。
今後は、食事だけでなく、サプリメントも用法用量を守りながら上手に付き合っていき、ビタミン不足を予防していきましょう。