カルシウムと言えば連想するものはなんでしょうか。骨や歯を作っていく重要な栄養素ですね。しかし、ただそれだけではなく体内で非常に様々な役割を果たしている栄養素なのです。例えばよく言われるのが、「イライラするのはカルシウム不足が原因だ」という言葉です。
実は、この言葉の信憑性は低く、カルシウムとイライラやストレスはあまり関係がないとも言われています。
しかし、実際カルシウムには脳神経の興奮を抑える作用があります。血中のカルシウム濃度が下がると情緒不安定になるなど、医学的なデータもあるほど精神的な面にもカルシウムは関わっていると言えます。
また、カルシウムは血液などをアルカリ性に保つという働きもあります。人間の体は、酸性に偏ってしまうと白血球の機能が低下していまい、入ってきたウィルスや菌に負けてしまうなど様々な健康被害を起こします。
そのような場合にも、カルシウムが体液をアルカリ性に保とうとする動きをしてくれます。
その他にも筋肉の収縮や血液凝固促進作用、心筋の機能を正常に保つなど骨や歯を形成する他、様々な働きをしてくれているため不足してはならない栄養素と言えるでしょう。
もしも不足してしまうと、どうなってしまうのでしょうか。
カルシウム不足
現代では、女性がなりやすいと言われているのが「骨粗しょう症」です。どんな病気なのか簡単に説明すると、骨の強度が低下してもろくなってしまい骨がスカスカになっている状態です。
ちょっとしたことでも骨にヒビが入ったり、骨折してしまったりする病気です。生活習慣病とされており、とても身近な病気と言えます。足がつる、ということに関しても、カルシウムは深く関わっていると言えます。
カルシウムには、筋肉の興奮を抑制する作用や、またはコントロールする働きがあります。コントロールというのは言い換えると、筋肉の収縮のバランスをとっているとも言えます。
そんな働きをもったカルシウムが、何らかの原因により体外に出て行ってしまえば、筋肉はうまく収縮できず、バランスを崩しこむら返りや足のつりを引き起こすのは当然のことと言えます。
つまり、ミネラルの中でも特にカルシウムが、足のつりと密接な関係と言えるのかもしれません。
カルシウムが摂取できる食品
カルシウムは、身近で簡単に摂ることのできる食品にも多く含まれています。イメージとしては牛乳や乳製品が一番に思いつくのではないでしょうか。また魚にも多く含まれています。
特に骨ごと食べる方法が、カルシウムを多く摂取するポイントでもあり、しらすなどの小魚、あゆの塩焼き、ししゃもなどはお勧めです。干しエビや桜えびなど、殻ごと食べるものにも多く含まれています。
その他にも豆腐などの豆類、ひじきや昆布などの海藻類にも含まれています。野菜では、小松菜やチンゲンサイ、ホウレンソウなどの葉野菜や、大根やかぶの葉っぱなどでも摂取することができます。
カルシウムの上手な摂り方
実は、カルシウムには吸収率があり食品によっても違うのですが、年齢によっても変わってきます。年をとるにつれて吸収率は下がり、吸収されなかったカルシウムは便や汗と共に体外へ排出されてしまうのです。
排出されてしまっては、必死に摂取しても無意味だとは思いませんか?しかし実は、合わせて摂取することで、カルシウムの吸収を助けてくれる栄養素があります。
それは、ビタミンDやマグネシウムです。一緒に摂ることで、骨への吸着が良くなると言われています。例えば、冷奴にかつお節をかけて食べる、豆腐の味噌汁にワカメを入れる、ただこれだけでも単体で食べるよりもカルシウムをたくさん吸収していることになるのです。
逆に吸収を妨げてしまう組み合わせもあります。お好きな人も多いと思いますが、ほうれん草とベーコンのソテーは、実は食べ合わせが悪いと言われています。なぜかと言うと、ベーコンに含まれているリン酸がカルシウムや鉄分などの吸収を妨げてしまうからです。
このように、食べ合わせによっても、カルシウムの摂取量というのは変わってくることがわかります。
まとめ
こむら返りや足のつりとも密接な関係のあるカルシウムは、体の中でとても重要な様々な役割を果たしており、必要不可欠な栄養素であることがお分かりいただけたでしょうか。
年を重ねるにつれて、吸収率が下がってしまうカルシウムですが、食べ合わせを考えることで、吸収を促進することも可能です。上手に生活の中に取り入れていきたいものです。